アロマテラピーに触れてイランイランを知る人も多いかもしれません。ルーツはフィリピンですが日本人には元々馴染みが少なく、特徴のある香りをとても好む人もいれば、苦手意識を持ってしまう人もいたり。
広い効能があり、また香料としても使われる万能精油です。
イランイランについて
樹高は通常6〜10m、大きいものでは15〜20mにもなります。インドネシアのマルク諸島(モルッカ諸島)から最初はフィリピンに伝えられ、栽培されていました。
名前の「イランイラン」はフィリピンの言葉で「花の中の花」を意味します。この香りは夜間に最も強く、花粉を運ぶ昆虫を引きつけます。
特徴
グレードにより香りや成分が異なる
精油の比重によって5つの段階(エクストラ、ファースト、セカンド、サード、コンプリート)に分かれます。
エクストラ
最も香りが強く、甘く花のような香りが特徴です。化学成分的には最もエステルが豊富で、リラクゼーションや安心感を促す作用が強いとされています。最も高級で、蒸留の最初の2時間以内に得られ、主に香料産業で使用されます。
ファースト
蒸留の2番目の段階で得られるオイルで、エクストラよりも少し重い香りがします。それでもなお、イランイランの特徴的な甘い花の香りを持ちます。アロマテラピーでよく使用されます。
セカンド
蒸留の3番目の段階で得られるオイルで、より木質で草本的な香りがします。化粧品や石鹸の製造によく使用されます。
サード
蒸留の最終段階で得られるオイルで、香りは最も重く、苦みがあります。これは工業的な用途によく使われ、特に石鹸製造業界で人気があります。また、保湿作用に優れるためスキンケア製品に利用されます。
コンプリート
「フル (Full)」とも呼ばれ、これは蒸留プロセス全体を通じて抽出されたオイルを意味します。
香水や美容目的で使われてきた
スキンケアやヘアケアに効果があり、ドライ肌やアンチエイジングのクリームやスプレーに使うと効果的です。
南太平洋の島々ではイランイランを入れたオイルでヘアトリートメントをして、陽射しから髪を守りました。
その甘く、花のような、一部ではエキゾチックとも評される香りから、香水や化粧品、石鹸などの製品に広く使われています。また、リラクゼーション、ストレスや不安の軽減、血圧の調整などの効果があるとされ、アロマテラピーでもよく使われています。
シャネルNo.5を代表とした様々なフレグランスでイランイランが利用されていることは有名な話です。
精油データ
学名 | Cananga odorata |
別名 | イランイランノキ |
原料植物名 | イランイラン |
科名 | バンレイシ科 |
抽出部位 | 花 |
抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ミドル〜ベース |
主な成分 | モノテルペンアルコール類 リナロール ゲラニオールエステル類 酢酸ベンジル |
主な産地 | コモロマダガスカルレユニオン島(フランス領) |
主な作用 | 鎮痛作用、強壮作用、鎮静作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗痙攣作用、抗ウイルス作用、免疫促進作用 |
イランイラン精油の効能
体への効能
リラックス作用が期待できます。寝つきをよくすることが示唆されたという報告もあるので、リラックスタイムや睡眠前の芳香浴に活用すると良いでしょう。
肌への効能
香料として多くの化粧品やフレグランスに使用されています。特にフローラル系やオリエンタル系の香りに用いられます。
イランイラン精油の注意事項
低血圧の人には眠気やだるさを引き起こす可能性があります。