マンダリンととても似た種類に属するタンジェリンは、歴史的背景から学者の間でも意見が分かれ、ある学者は同じ学名をつけ、別の学者は別種とするなど、柑橘系精油の複雑さを感じさせます。
構成している成分もマンダリンと似ていることから、鎮静の精油としてのイメージが強いようです。
穏やかに作用して、誰にも嫌がられない芳香をもつことが二つの精油の共通点です。
タンジェリンについて
特徴
植物学的にはマンダリンとほぼ同じ
タンジェリンという名前の由来は、中国からヨーロッパに伝わった種がモロッコのタンジールに渡り、そこからさらにアメリカに持ち込まれた経緯によります。
マンダリンに比べて収穫時期が少し早く、マンダリンが黄色がかっているのに対し、タンジェリンは濃いオレンジ色をしています。
タンジェリンとマンダリンの芳香は似ていますが、タンジェリンは少し弱い印象があります。
精油データ
学名 | Citrus reticulata |
科名 | ミカン科 |
抽出部位 | 果皮 |
抽出法 | 圧搾法 |
ノート | トップ |
主な成分 | モノテルペン炭化水素類 リモネン、γ-テルピネン、α-ピネン、ミルセン、サビネン モノテルペンアルコール類 リナロール |
主な産地 | アメリカ、イタリア |
主な作用 | 強壮作用、催眠作用、鎮痙作用、鎮静作用、消化促進作用、収れん作用 |
タンジェリン精油の効能
体への効能
他の柑橘系精油に効果が似ており、主に消化器系に働きかけ、便秘や下痢などの様々な胃腸の不調に効果が期待できます。
末梢循環系の強壮作用があり、疲労した手足の回復の助けとなるでしょう。
心への効能
催眠作用に強い効果があり、ストレスなどの強い緊張状態を和らげることに役立ちます。
肌への効能
循環器系への効果から、血色の悪い肌に利用すると生気を取り戻すことに期待ができます。
また、マンダリンと同様皮膚の強壮剤となり、妊娠線予防にも良いですが、光毒性の恐れがあるため、使用後に日光に当たることを避ける必要があります。
タンジェリン精油の注意事項
必要箇所に正しい濃度で利用する場合、特になし。光毒性の恐れあり。