現代社会ではどこの家にも食卓にあるブラックペッパーは、中世ヨーロッパでは金と同じ価値を持っていました。
高額の税金で取引され、こじれると戦が勃発するなど価値の高いものとして使われてきました。
ブラックペッパーについて
特徴
他の植物に巻きついてブドウのような実をつける
森林に生える低木で、日陰でよく生育します。
野生の状態だと6m以上にまで成長しますが、現在では3m強の長さに揃えて栽培されています。
白胡椒よりも黒胡椒のほうが芳香が強く、精油の量も多いため、よく抽出されます。
歴史が古く、重宝されてきた
インドでは4000年以上も昔、泌尿器疾患と肝臓病の治療に使われていました。
サンスクリット語の「ピッパリ」が由来し、ラテン語のpiperに変化しました。
古代ローマ人の間では貨幣代わりとなり、ギリシャ人は熱病治療に使い、中世ではインドとヨーロッパ間での貿易で重要となり、ポルトガル人は19世紀に至るまでこの貿易を独占してきました。
精油データ
学名 | Piper nigrum |
別名 | ペッパー |
原料植物名 | コショウ |
科名 | コショウ科 |
抽出部位 | 果実 |
抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ベース |
主な成分 | β-カリオフィレン、β-ファルネセン |
主な産地 | インド、スリランカ、マダガスカル |
主な作用 | 強壮作用、去痰作用、殺菌作用、消化促進作用、鎮静作用、鎮痙作用、利尿作用、免疫促進作用、鬱滞除去作用 |
ブラックペッパー精油の効能
体への効能
局所的に血管を拡張するため、筋肉痛や肩こりなどを好転させて老廃物の排出を促します。
胃に活力を与えて唾液を分泌して食欲を刺激し、腸内の活動を活発にすることで回復させる力をもっています。
脂を多く含む肉類のタンパク質の消化を助けるため、ダイエットにも効果が期待できます。
心への効能
刺激作用があり、神経や心を強化してくれます。
ストレスフルなときに心に元気をもたらし、冷淡な感情になったときに心を温めます。
ブラックペッパー精油の注意事項
腎臓への負担が大きいため、長期での使用は避けること。